⚡️ 光回線比較研究室

ゲーム中のラグにイライラ!光回線でオンラインゲームをサクサク快適にする方法

「あ"〜!またラグった!」「今の絶対当たってたのに!」オンラインゲーム中のラグで、思わず叫んでしまった経験はありませんか?私も学生時代、深夜のランク戦で「もう少しで昇格」という大事な場面でラグが発生し、惜しくも負けてしまった苦い経験があります。その後、光回線環境を見直したところ、見違えるほど快適になり、無事に昇格できたのは言うまでもありません。

この記事では、オンラインゲームを快適にプレイするための光回線選びと設定方法を、インターネット回線の専門家である私が徹底的に解説します。「ラグのせいで負けた」なんて言い訳は、もう卒業しましょう!あなたのゲームスキルを最大限に発揮できる環境を、一緒に作り上げていきませんか?

オンラインゲームに必要な回線性能を理解しよう

まず、多くのゲーマーが混同しがちな「ラグの原因」について正しく理解することから始めましょう。意外に思われるかもしれませんが、オンラインゲームに必要な回線速度は、高画質の動画視聴ほど高速である必要はありません。重要なのは、速度だけではないのです。

ゲームに本当に重要なのは「Ping値」

回線速度(Mbps)とPing値(ms)の違いをご存知でしょうか?この二つの指標は、オンラインゲームの快適さに大きく関わってきます。

回線速度は、一度にどれくらいのデータを転送できるかを示す数値です。例えるなら、データの「車線数」のようなもので、数値が大きいほど多くの情報が一度に流れます。動画視聴や大容量ファイルのダウンロードにおいては、この速度が高速であるほど快適です。

一方、**Ping値(ピングち)**は「反応速度」を表します。これは、あなたのデバイスからゲームサーバーへデータが送られ、再び戻ってくるまでの「往復時間」をミリ秒(ms)という単位で示しています。Ping値が低ければ低いほど、操作が瞬時にゲームに反映されるため、ラグを感じにくく快適なプレイが可能です。

では、具体的にどのくらいのPing値が理想なのでしょうか?

  • 1ミリ秒から15ミリ秒: この範囲であれば、プロゲーマーも満足できる非常に良好な状態です。ほとんどラグを感じることはないでしょう。
  • 16ミリ秒から30ミリ秒: 快適にプレイできる範囲です。一般的なオンラインゲームであれば、ストレスなく楽しめます。
  • 31ミリ秒から50ミリ秒: 普通の範囲ですが、状況によっては多少のラグを感じることがあります。特にFPSなどのシビアなゲームでは影響を感じやすいかもしれません。
  • 51ミリ秒以上: 明らかなラグが発生し、ゲームプレイに支障が出始めるレベルです。この数値が出ているなら、早急な改善が必要です。

実際のゲームで「ラグった!」と感じるのは、多くの場合、このPing値の高さや不安定さが原因なんです。

ゲームジャンル別の要求性能

一口にオンラインゲームと言っても、そのジャンルによって求められる回線性能は少しずつ異なります。ご自身のプレイしているゲームに照らし合わせてみてください。

  • FPS・TPS (Apex Legends, Call of Dutyなど)
    • 必要速度: 10~30Mbps
    • 推奨Ping値: 15ms以下
    • 安定性: 最も重要。一瞬のラグが勝敗を分けるため、回線の安定性が何よりも求められます。
  • MOBA (League of Legends, Dota 2など)
    • 必要速度: 5~20Mbps
    • 推奨Ping値: 30ms以下
    • 安定性: 重要。複数人での協力プレイが主なので、仲間の動きと同期するためにも安定した回線が不可欠です。
  • MMO (Final Fantasy XIV, World of Warcraftなど)
    • 必要速度: 5~30Mbps
    • 推奨Ping値: 50ms以下
    • 安定性: やや重要。大人数での同時接続が多いですが、FPSほどシビアな反応速度は求められない傾向にあります。
  • 格闘ゲーム (ストリートファイター, 鉄拳など)
    • 必要速度: 5~15Mbps
    • 推奨Ping値: 10ms以下
    • 安定性: 最も重要。わずか1フレームの遅延が致命的になるため、Ping値の低さと安定性が非常に重要です。

どのジャンルでも共通して言えるのは、速度以上にPing値の「低さ」と「安定性」が快適なゲーミングライフの鍵を握るということです。

ゲーマー向け光回線の選び方

Ping値の重要性を理解したところで、次は実際にオンラインゲームを快適にプレイするための光回線選びのポイントを解説します。

1. 回線の種類で選ぶ

まず、オンラインゲームを快適に楽しむ上で、私たちが特に注目したいのが「回線の種類」です。大きく分けて、プロバイダが独自のネットワークを持つ「独自回線」と、NTTの光回線設備を各社が借りて提供する「光コラボ」の2種類があります。

独自回線には、auひかりやNURO光などが挙げられます。これらの回線は、契約者数が設備容量に対して比較的少なく、独自のネットワークを持っているため、回線が混雑しにくく、Ping値が非常に安定しやすいという大きなメリットがあります。ゲーマーにとっては、混雑によるラグを避ける上で理想的な選択肢と言えるでしょう。ただし、提供エリアが限定されている点がデメリットとして挙げられます。もしお住まいの地域で利用可能であれば、ぜひ検討してみてください。

一方、光コラボはドコモ光やソフトバンク光といったサービスが該当します。こちらはNTTのフレッツ光網を利用しているため、提供エリアが広く、選択肢が豊富な点が魅力です。しかし、利用者が多いため、特に夜間など回線が混み合う時間帯には、Ping値が不安定になったり、速度が低下したりする傾向が見られることがあります。とはいえ、適切なプロバイダを選び、後述するIPv6接続を活用すれば、光コラボでも十分に快適なゲーミング環境を築くことは可能です。

2. プロバイダのゲーミング特化サービス

最近では、一部のプロバイダがゲーマー向けの特別なオプションサービスを提供しています。これらのサービスは「Gaming+オプション」など、各社で名称は異なりますが、オンラインゲームに特化した設計がされているのが特徴です。

具体的には、ゲーム通信専用の帯域を確保したり、ゲームサーバーへの最適なルーティングを行ったり、パケット(データの小包)を優先的に処理したりといった工夫が凝らされています。これにより、混雑時でもラグを抑え、安定した通信を実現しやすくなります。月額500円から1,500円程度の追加料金がかかることが一般的ですが、本気でゲーム環境を改善したい方には検討する価値のあるサービスと言えるでしょう。

3. IPv6対応の確認

インターネット回線を選ぶ際、IPv6(アイピーブイシックス)IPoE接続への対応状況は必ず確認しましょう。これは、従来のIPv4 PPPoE接続に比べて、高速かつ低遅延な通信を実現する次世代の接続方式です。

IPv6 IPoE接続の最大のメリットは、特に夜間の混雑時間帯での通信品質改善効果が高いことです。従来のPPPoE方式が「一般車線」だとすれば、IPoE方式は「ゲーム専用の高速道路」のようなイメージです。これにより、データがゲームサーバーへと効率的に届けられ、ルーティングが最適化されるため、Ping値の改善にも繋がります。現在では多くのプロバイダがIPv6に対応していますが、契約前には必ず確認し、可能であればIPv6 IPoE接続が可能なプロバイダを選びましょう。

ゲーミング環境の最適化テクニック

最高の光回線を契約しただけではまだ不十分です。家庭内のネットワーク環境も最適化することで、回線性能を最大限に引き出し、快適なゲーミングライフを送ることができます。

有線接続は絶対条件

「Wi-Fiでも大丈夫でしょ?」と思っていませんか?どんなに高性能なWi-Fiルーターを使っていても、オンラインゲームにおいて有線接続に勝るものはありません。Wi-Fiは電波状況や他の無線機器からの干渉を受けやすく、Ping値が不安定になったり、突然のラグが発生したりする原因となります。

ゲーミングPCやゲーム機は、必ずLANケーブルでルーターに直接接続しましょう。LANケーブルを選ぶ際は、カテゴリ5e(CAT5e)以上、できればカテゴリ6A(CAT6A)以上のものを選ぶのがおすすめです。また、ケーブルはできるだけ短いものを使用し、品質の良いものを選ぶことで、安定した通信を確保できます。

もしゲーム機とルーターの距離が遠く、有線接続が難しい場合は、PLC(電力線通信)アダプターの利用や、プロによる配線工事の検討も有効な解決策です。長期的に安定した環境を求めるなら、配線工事も視野に入れてみましょう。

ルーターの設定最適化

ご家庭のルーター設定を見直すことも、ゲーミング環境を改善する上で非常に重要です。

  • QoS(Quality of Service)設定: 多くのルーターにはQoS機能が搭載されています。この機能を活用し、ゲーム機やゲーミングPCの通信を最優先に設定することで、家族が動画を視聴したり、大容量ファイルをダウンロードしたりしていても、ゲーム通信への影響を最小限に抑えられます。
  • ゲーミングモードの活用: 最新のゲーミングルーターには、ワンクリックで通信をゲーム向けに最適化する「ゲーミングモード」が搭載されているものもあります。この機能をオンにするだけで、QoS設定やその他の最適化が自動的に適用されることがあります。
  • MTU値の調整: 少し専門的な設定になりますが、MTU値(Maximum Transmission Unit)を調整することで、パケットロス(データの一部が失われる現象)を減らせる場合があります。デフォルト値は1500であることが多いですが、これを1450から1470程度に少し下げてみることで、通信の安定性が向上するケースがあります。この設定はルーターによって方法が異なるため、取扱説明書を確認するか、インターネットで検索してみましょう。

プラットフォーム別の最適化

ここからは、お使いのゲーム機やPCに応じた、より具体的な最適化方法をご紹介します。

PlayStation 5 / 4

PlayStationシリーズでオンラインゲームをプレイするなら、やはり有線LAN接続が基本中の基本です。

  1. PlayStationの「設定」メニューから「ネットワーク」を選択します。
  2. 「インターネット接続を設定」に進み、「有線LANケーブルを使う」を選択します。
  3. 基本的には「かんたん」設定で問題ありませんが、Ping値の安定性をさらに高めたい場合は、「カスタム」設定を選んでMTU値を手動で調整してみるのも良いでしょう。MTU設定で「手動」を選択し、推奨値である1450に設定して接続テストを行ってみてください。

Nintendo Switch

Nintendo Switchは携帯機としても優秀ですが、オンライン対戦を本格的に楽しむなら、別売りの有線LANアダプターの購入を強くおすすめします。

  • Switch本体のドックにアダプターを接続し、LANケーブルでルーターと繋ぐことで、より安定した通信環境を構築できます。
  • また、DNS設定を変更することで、わずかながら通信速度の改善が見られることもあります。設定から「インターネット」を選択し、「インターネット設定」から現在接続中のWi-Fiを選択します。「設定を変更」からDNS設定を「手動」にし、プライマリDNSに「8.8.8.8」、セカンダリDNSに「8.8.4.4」(Google Public DNS)などを入力して試してみるのも一手です。

Xbox Series X / S

Xboxで快適なオンラインプレイを目指すには、まず現在のネットワーク状況を把握することが大切です。

  • Xboxの設定メニューから「ネットワーク」へ進み、「ネットワーク統計」を確認してみてください。ここで現在のPing値やパケットロス率などを確認できます。
  • また、ルーター側で**UPnP(Universal Plug and Play)**を有効にすることをおすすめします。UPnPは、ゲーム機が自動的にルーターのポートを開放してくれる機能で、オンラインゲームの接続品質を向上させる効果が期待できます。多くのルーターでデフォルトで有効になっていますが、念のため確認してみましょう。

PC(Windows)

PCゲーマーは、より詳細なカスタマイズで通信環境を最適化できます。

  • ゲーミング用ネットワークアダプターの検討: マザーボードに内蔵されているネットワークアダプターも高性能化していますが、より低遅延で安定した通信を求めるなら、ゲーミング専用のネットワークカードやUSB接続のLANアダプターを導入するのも選択肢の一つです。
  • 不要なバックグラウンドアプリの停止: Windows UpdateやOneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージの同期機能は、ゲーム中に大量のデータ通信を発生させ、ラグの原因となることがあります。これらがゲーム中に自動実行されないよう、設定で調整したり、ゲーム中は一時的に停止させたりする習慣をつけましょう。

家族との共存:ゲーム優先の時間を作る

ご家族とインターネット回線を共有している場合、「ゲーム中に家族が動画を見始めてラグくなった!」といった経験があるかもしれません。みんなが快適にインターネットを利用できるよう、工夫次第で共存は可能です。

時間帯での調整

一番手軽なのは、家族と相談して「ゲーミングタイム」を設定することです。例えば、「平日20時から22時は、オンライン対戦に集中したいから、動画視聴や大容量のダウンロードは控えてもらえるかな?」と事前に相談しておくのです。

家族にゲームの重要性を理解してもらうためにも、単に「遅いからやめて」と伝えるのではなく、「オンライン対戦中は、ほんの少しのラグが勝敗に直結してしまうんだ」と具体的に説明すると、協力を得やすくなるでしょう。

技術的な解決策

ルーターの機能を活用して、技術的に解決する方法もあります。

  • 帯域制限の設定: ルーターのQoS機能(前述)を活用し、特定の時間帯や特定のデバイス(例: ゲーム機)に優先的に帯域を割り当てる設定を行うことで、他の機器の使用帯域を制限し、ゲーム機に優先的に回線を使わせることができます。
  • 別回線の検討: 本格的にゲームをプレイする方で、ご家族との回線競合が頻繁に発生し、ストレスを感じているのであれば、ゲーム専用に別の回線を契約することも選択肢の一つです。これは少し費用がかかりますが、ストレスフリーなゲーミングライフを手に入れるための究極の解決策と言えるかもしれません。

トラブルシューティング:ラグの原因を特定しよう

もし「ラグい」と感じたら、まずはその原因を特定することが重要です。状況によって適切な対処法が異なります。

原因別の対処法

ここでは、よくあるラグの原因と、それぞれの効果的な対処法をまとめました。

  1. 回線混雑(特に夜間に遅くなる)
    • 夜間や特定の時間帯に回線が遅くなる場合は、回線自体が混雑している可能性が高いです。
    • 対処法: IPv6 IPoE接続への変更を検討しましょう。これがすでに有効なのに改善しない場合は、プロバイダの乗り換えを検討したり、ゲーミング専用オプションの追加を考慮したりするのも良いでしょう。
  2. Wi-Fi接続(Ping値が不安定)
    • Ping値が安定せず、瞬間的に跳ね上がる場合は、Wi-Fiの電波状況が原因かもしれません。
    • 対処法: 最優先で有線LAN接続への変更を試みてください。それが難しい場合は、Wi-Fiルーターの位置を最適化(障害物を避ける、高所に置くなど)したり、最新のWi-Fi 6対応ルーターへの買い替えを検討するのも効果的です。
  3. 他の機器の影響(突然重くなる)
    • 家族の誰かが動画を見始めたり、PCで大容量のダウンロードを始めたりすると、急にラグが発生することがあります。
    • 対処法: ルーターのQoS設定でゲーム機を最優先に設定しましょう。また、他の機器の自動アップデートや同期時間をゲームをしない時間帯に調整してもらうよう、家族に協力を求めるのも有効です。ルーターに帯域制限機能があれば、活用してみるのも良いでしょう。
  4. ゲームサーバーの問題
    • ご自身の回線環境には問題がないのにラグが発生する場合、ゲームサーバー側に問題がある可能性もあります。
    • 対処法: まずはゲームの公式サイトや公式SNSでサーバー状況を確認しましょう。メンテナンス情報や障害情報が掲載されていることがあります。もしサーバー選択ができるゲームであれば、Ping値の低い最適なサーバーを選択し直してみてください。サーバー側の問題であれば、時間をおいて再試行するしかありません。

最新技術:将来のゲーミング環境

最後に、今後のゲーミング環境で注目すべき新しい技術について触れておきましょう。

クラウドゲーミング

近年注目を集めているのが、Google Stadia(サービス終了)やGeForce NOWのようなクラウドゲーミングサービスです。これは、ゲームの処理を高性能なサーバー上で行い、その映像だけを手元の端末にストリーミング(送信)する技術です。これにより、高性能なゲーミングPCやゲーム機がなくても、インターネット回線さえあれば、様々なゲームを楽しめるようになります。

クラウドゲーミングを快適に利用するには、ある程度の速度と安定したPing値が必要です。一般的には、フルHD画質で25Mbps以上、4K画質であれば35Mbps以上の速度が推奨されます。Ping値は40ms以下が最低ラインですが、快適なプレイには20ms以下が望ましいでしょう。また、1時間のプレイで10GBから20GBといった大量のデータを使用するため、データ容量を気にせず使える光回線が必須となります。

5G回線との組み合わせ

次世代の通信技術である5G回線も、ゲーミング環境に大きな変化をもたらしつつあります。特に光回線の敷設が難しい地域や、工事ができない賃貸物件などで、5G対応のホームルーターが新たな選択肢として登場しています。

5Gは、高速かつ低遅延という特徴を持っているため、光回線に匹敵する、あるいはそれに近い品質でオンラインゲームが楽しめるようになりつつあります。また、スマートフォンのモバイルゲーミングにおいても、5G回線があれば自宅のWi-Fi環境と変わらない、あるいはそれ以上の快適なプレイが外出先でも期待できるようになります。

まとめ:快適なゲーミング環境を手に入れよう

オンラインゲームを快適にプレイし、「ラグのせいで負けた」という悔しい経験をなくすためには、適切な回線選びと環境構築が非常に重要です。この記事でご紹介したポイントをもう一度確認し、あなたのゲーミング環境を盤石なものにしていきましょう。

快適なゲーミング環境を構築するための重要なポイントは、以下の通りです。

  • 独自回線かIPv6 IPoE接続対応の光回線を選びましょう。 これにより、回線混雑によるラグを大幅に軽減できます。
  • 必ず有線LAN接続を使用しましょう。 Wi-Fiよりも圧倒的に安定した通信が可能です。
  • ルーターの設定を見直し、ゲーミング機器の通信を最優先に設定しましょう。 QoS機能やゲーミングモードを有効活用してください。
  • ご家族と回線を共有している場合は、ゲーミングタイムを設定したり、技術的な対策を講じたりして、利用時間を調整しましょう。
  • 定期的にネットワーク品質をチェックし、ラグの原因を特定・対処できるようにしておきましょう。

初期投資や設定の手間はかかるかもしれませんが、これらの対策を行うことで、あなたのゲームスキルを最大限に発揮できる理想の環境が手に入ります。もう言い訳は要りません。勝利をつかみ取って、最高のゲーミングライフを楽しんでくださいね!Good luck & Have fun!